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私が、特許の世界に興味を持ったのは、最初の勤務先、セラミック関連の製造会社に居た頃でした。そこでは開発業務を担当していたのですが、ある時、印刷工程で利用するある発明を思いつきました。“これは大きな発明だ、特許が取れるぞ!”と興奮気味に会社に出願を打診しましたが、上司は技術的に理解せず、快い返事はもらえませんでした。それなら自分で出願してやろうと考えたのです。特許関係の本を読みあさり、その時、真剣に踏み込んだ特許の世界が面白くて、転職しちゃいました。その時の思いが、弁理士である僕のルーツですね。

この業界に足を踏み入れて30年近く。これまでに電気(モータ、インバータ、モータ制御回路、センサ回路、その他電子回路・コンピュータ応用機器)、ソフトウェア・ビジネスモデル特許、機械(生産設備装置、工作機械、ミシン)、材料(セラミックス、無機材料)、訴訟、ライセンス契約など、実にさまざまな分野の案件に携わってきました。その間、実に多くの発明者に会い、お話を伺いました。面白いもので、最初は“印象の薄い発明だなあ”と思っていても、発明者から直接、発明の背景や苦労した点などを聞いていると、その情熱がこちらにも感染し、“よし、絶対やってやる!”という気持ちに変わってくるんですよね。この仕事で最も大切なのは何と言っても信頼関係。だから常に相手の立場に立って自分のベストを尽くすこと。楽なほうへ逃げないこと。この2つを肝に命じて、お客様に信頼していただける仕事ができるよう心掛けています。
この仕事のやりがいは、過去の技術のすき間をついてお客様のために権利を獲得したり、論理を駆使して邪魔な権利を取り除いたりする、その醍醐味。一見、小さな発明でも、権利の強さは大発明と同じですから、一つの権利でも企業の命運を左右することもあるのです。大切な発明を見事に特許権として成立させたり、ライバル会社の特許を潰したりしたとき、その結果、お客様から“ありがとう”と言っていただけると、本当に弁理士冥利につきますね。

仕事ではデスクワークがほとんどなので、仕事帰りや休日など、時間を見つけてはスポーツクラブに通い、エアロビクス、テニスなどで汗を流しています。今年はスポーツクラブの友人とマラソンの真剣勝負があるし、中国語の勉強も再開したいし、もう大忙し。とりあえず大好きなベルギービールを飲んでから戦略を練るとしますか。